民事再生（個人再生）

民事再生(個人再生)とは、債務者が業務遂行や財産の管理を原則として維持しながら、債権者の法定多数で可決された再建計画に基づいて、事業や生活の再生を図る再建型の倒産手続です。

自己破産との大きな違いは、①免責の有無と②債務者の財産が維持されるかどうかです。すなわち、自己破産の場合、①原則として債務者の債務は免責され、その反面、②その財産は基本的には処分され、債権者への配当に充てられます。一方、民事再生(個人再生)の場合、①原則として債務者の債務は免責されず、その反面、②その財産は維持されることになります。

そして、民事再生(個人再生)には、以下の3種類があります。

・(通常の)民事再生
→民事再生法が元々用意していた制度です。これは法人だけでなく、個人もその対象にしていますが、手続が厳格に定められているため、個人債務者の場合にはあまり利用されていません。
・小規模個人再生
→比較的小規模な事件について、将来の収入から、ある程度の返済を行うことができる個人債務者の経済生活の再生を目的とする制度です。この制度を利用するための要件は、ⓐ個人債務者のうち、将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込みがあることⓑ再生債権の総額が5000万円を超えないこととされています。
・給与所得者等再生
→小規模個人再生手続の特則として設けられた制度です。具体的には、給与等の安定した収入が得られる見込みのある債務者について、さらに簡略化した手続で再生計画を成立させようとする制度です。この制度を利用するための要件は、ⓐ小規模個人再生の要件を満たす場合でⓑ給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みがありⒸその額の変動の幅が小さいと見込まれることとされています。


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