亡くなった方(被相続人)は、遺言を利用することによって、自らが所有している財産を、好きなように配分をすることができます。
しかしながら、被相続人の遺族の生活を保障するために一定程度の制約を受けることになります。この制約を遺留分といいます。
本ホームページでは、遺留分を請求できる権利者、割合、計算方法などについてわかりやすく解説をしていきます。
◆遺留分を請求できる権利者と割合
遺留分を請求できる権利者は、被相続人の配偶者、子(代襲相続人を含む)、直系尊属(被相続人の父母、祖父母)となります。
被相続人の兄弟姉妹は遺留分の請求をする権利はありません。
遺留分の相続割合は、法定相続割合に準拠しており、遺留分を有する相続人が複数いる場合にも、それぞれの法定相続分により分け合うことになります。
具体的な割合は以下のとおりです。
①配偶者のみが相続人の場合 2分の1
②子のみが相続人の場合 2分の1
③直系尊属のみが相続人の場合 3分の1
④兄弟姉妹のみが相続人の場合 遺留分なし
⑤配偶者と子が相続人の場合 配偶者が4分の1、子が4分の1
⑥配偶者と父母が相続人の場合 配偶者が3分の1、父母が6分の1
⑦配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合 配偶者が2分の1、兄弟姉妹は遺留分なし
◆遺留分の計算方法
遺留分を計算する上で、基礎となる相続財産は、被相続人が相続開始時に有していた財産に、以下の財産を加えて算出することとなります。
・遺言により被相続人から取得した財産
・相続開始前の1年間で被相続人から取得した財産
・10年以内の特別受益(例:相続人に対する婚姻のための贈与、養子縁組のための贈与、生計資本としての贈与など)
では実際に具体的な事例を用いて計算方法について解説をしていきたいと思います。
被相続人が亡くなったときに、相続人が配偶者と子ども2人だった場合、配偶者は1/2×1/2=1/4、子は1/2×1/4=1/8ずつとなります。
もし被相続人の財産が3200万円あるとした場合において、遺言書の中で、すべての財産を同居して面倒を見てくれている兄に相続させるとしていた場合には、弟は3200万円×1/2×1/4である、400万円を遺留分として、兄に請求をすることができるというわけです。
事例が複雑になることを避けるために、上記で3つ列挙した財産はいずれもなかったものとしています。
◆遺留分侵害額請求
民法の相続法改正により、改正前は遺留分減殺請求とされていた請求権が遺留分侵害額請求に変更されました。
改正前は、遺贈や贈与によって、自己の遺留分を侵害された遺留分権利者が、侵害された部分を回復させる限度で、減殺を行い、遺贈や贈与の効力を失わせることができました。
しかしながら、この方法では、遺留分権利者と遺贈や贈与を受けた人と財産を共有することになるため抜本的な解決ができないものとなっていました。
そこで遺留分侵害額請求は、共有ではなく、実際に金銭の支払いによって解決するという形を取ることとなりました。
弁護士 武田 大輔は大阪市(西天満、南森町)、豊中市、東大阪市、茨木市を中心に、大阪府、滋賀県、兵庫県、奈良県、京都府でご相談を承っておりますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。豊富な知識と経験からご相談者様に最適な解決方法をご提案させていただきます。
遺留分とは?請求できる権利者や割合、計算方法などわかりやすく解説
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