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内定取り消しが認められる正当な条件とは

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内定取り消しが認められる正当な条件とは

労働契約法上、労働者の労働契約上の地位は厚く保護され、「客観的に合理的な理由」と「社会通念上の相当性」の要件を満たさない限り、解雇(使用者からの一方的な労働契約の解約)は無効になります。

では、内定の段階ではどうでしょう。
そもそも内定とは法的にはどのような状況なのでしょうか。
このページでは、内定の性質に触れながら、内定取り消しが認められる正当な条件についてご紹介します。

内定の性質

内定の性質は、その内容によってさまざまなので、契約の文言や、処遇、慣行等を考慮したうえで法的性質を考える必要があります。
この点、労働契約は諾成契約といい、当事者の意思の合致によって成立します。

内定とは、基本的には、労働契約の成立はあるものの、現実に就労する必要はなく、使用者が労働者の適格性を調査し、不適格な事情があれば解約できるという「始期付き解約権留保付き労働契約」とされています。

内定は労働契約の締結なので、労働契約法上の労働者の地位と類似した保護があるものの、内定の上記性質に即して、内定取消の適法性が判断されることになります。

内定取り消しが認められる正当な条件とは

では、どのような条件があれば内定取り消しが正当なものとして認められるのでしょうか。

上述のように内定の目的は、実際に就労を始める前に労働者の適格性の調査することにあります。
そのため、内定当時企業が知ることができなかったあるいは、知ることが期待できなかったような事情であって、これを理由に内定を取り消すことが解約権留保の趣旨・目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上の相当性を有する限り、内定取り消しは適法とされます。

例えば、新卒で採用するつもりであったのに留年したため卒業できなかった場合、中途採用で必要な資格を取得しなかった場合、病気にかかってしまった場合(もっとも、数か月で復帰できる場合などは、客観的に合理的に当たらない可能性があります。)、経歴詐称があった場合などが挙げられます。

気を付けるべきポイントは、内定者研修に参加しなかったことは原則として内定取り消し理由にはなりません。
なぜなら、使用者は内定者の学業を阻害してはならず、入社前の研修は内定者の任意の意思に基づいて実施されるものだからです。

解約権留保の趣旨・目的は労働契約の内容によって個別具体的に判断することとなりますが、このまま労働契約を継続して就労させることに支障がある事情であることが根本にはあると考えられます。
そして、内定時に知っていた、あるいは知ることができた事情であれば、内定後の期間の調査を行う必要がないため、このような事情は解約の理由とはなりません。
内定が出た労働者は他の企業の就職活動を辞めるなどして就職の機会を失い、また、労働者はその後当該使用者の下で働くことができると期待しているため、労働者を保護する必要があります。

なお、内々定についても、同様に考えることとなりますが、個別具体的に、契約の実質面を検討することになります。
労働契約締結の過程に過ぎないのか、労働契約締結の予約なのか、あるいは始期付き解約権留保付き労働契約の締結と考えるのか、判断することになります。

労働問題にお困りの方は武田法律事務所までご相談ください

内定の法的性質および、内定取り消しが適法と認められる条件については、専門的な判断が必要です。
また、内定を取り消す可能性があることを念頭において、内定を通知する書面を作成することが求められます。
内定の趣旨・目的を明確にして、これに関連して何があれば内定を取り消すのか記載することで、客観的に合理的な理由を争われるリスクを事前に下げることが求められるでしょう。労働問題に詳しい弁護士に相談することで、適切な助言を期待できます。

弁護士武田大輔は、労務管理に関するご相談を承っております。
「内定者の素行不良が目立つため内定を取り消したい」という悩みのほか、「職場でのセクハラやパワハラの定義が知りたい。」「懲戒解雇した元従業員が処分に不服なため証拠を揃えて訴えると言っている。」など、労務管理についてお悩み方は、弁護士武田大輔まで、どうぞお気軽にご相談ください。
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