雇用契約書とは、使用者と労働者が雇用契約を締結する際に作成され、その雇用契約の内容を明示した書面のことをいいます。
雇用契約書の記載が雇用契約の内容になるため、記載するべき事項を正確に、過不足なく記載することが求められます。
このページでは、雇用契約書の記載事項や作成時の注意点についてご紹介します。
雇用契約書の記載事項
雇用契約書の記載事項は、絶対的明示事項と相対的明示事項に分けられます。
絶対的明示事項
絶対的明示事項とは、書面での交付によって明示しなければならない事項のことをいいます。
具体的には以下の事項があげられます。
- 労働契約期間
- 雇用期間がある有期雇用の場合にはこれを明示することが求められ、無期雇用の場合には、「なし」と記載します。
- 就業場所
- 今後就業地の変更がある場合であっても、直近の就業地を記載します。
- 業務時間(始業時間と就業時間)
- 所定労働時間を記載します。
勤務時間が決まっていない場合には、柔軟にルールを記載する必要があります。 - 業務内容
- 実際に従事する業務内容を記載します。
- 休憩時間
- 労働基準法上、6時間以上の労働には45分以上、8時間以上の労働には60分以上の休憩時間を与えることが求められています。
- 休日・休暇
- 労働基準法上、1週間に1日以上、4週間に4日以上の休日を与えることが求められています。
- 交代制勤務
- 交代順序や交代期日を記載します。
- 賃金の計算方法や支給日
- 労働の対価として支払われる賃金をどのように計算するか、また、賃金の支給日や支給方法について記載します。
また、法定労働時間外の労働に対して支払われる賃金は、所定のものより割増したものであることが労働基準法上求められています。
法定の割増率以上の割合を記載しましょう。 - 退職関連
- 退職の年齢、自己都合退職になる場合何日前に連絡を必要とするか、解雇事由、退職手続きについて記載します。
- 昇給
- 昇給の基準や内容について記載します。
相対的明示事項
相対的明示事項とは、書面で交付する必要がなく、口頭でも差支えのない事項で、その内容は、定めをする場合には記載しなければならないものとなります。
具体的には以下の事項があげられます。
雇用契約書作成時の注意点
生じることの多い労働契約上の紛争としては、賃金に関する紛争(法定時間外労働に対するものなど)、労働契約上の地位の確認(解雇の無効など)、懲戒の無効確認(懲戒事由、内容が就業規則に記載され明示されているかなど)があげられます。
賃金は労働契約の本質的部分であり、労働者からしても関心の強い事項なので、この点正確に明示して、後に紛争が生じないようにすることが重要です。
労働問題にお困りの方は武田法律事務所までご相談ください
雇用契約の内容をめぐっての紛争は、使用者と労働者の関係を悪化させるのみならず、使用者にとって大きな損害を与える場合があります。
例えば、未払いの賃金は、会社にとって潜在債務であって、それが従業員の多くにある場合、企業の価値に大きな影響を与えます。
また、懲戒処分を適切と考えた際に適切に懲戒処分ができるようにすることや、昇給を適切に行うことができることで、労働者の不正を妨げ、モチベーションを保つことになります。
弁護士武田大輔は、労務管理に関するご相談を承っております。
「雇用契約書を作成したい」という悩みのほか、「職場でのセクハラやパワハラの定義が知りたい。」「懲戒解雇した元従業員が処分に不服なため証拠を揃えて訴えると言っている。」など、労務管理についてお悩み方は、弁護士武田大輔まで、どうぞお気軽にご相談ください。
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